椅子は作るのではなく育てる!?世にも珍しい家具農場の実体!

イングランド中部のダービーシャー州に、「フル・グロウン(Full Grown)」という一風変わった農場がある。農場といえば一般的には、穀物や野菜などの農産物といった食料生産のために使われる土地なのだが、この農場では家具を育てて収穫を行っている。
農場 「フル・グロウン(Full Grown)」を運営するのは、家具デザイナーの「ゲヴィン・マンロー」さん。彼は10年かけ、木を椅子の形に育てる技術を独自で開発しました。
マンローさんは、柳の若木にフレームをあてがい、接ぎ木の技術を応用して自らデザインした通りの形に育てていくのである。ただ現実は必ずしも思い通りに生えてくれるわけもなく、かといって力を加えすぎると枯れてしまうとのこと。
そもそも、どうして家具を「育てよう」と思ったのか?動画の冒頭でマンローさんはこのように話しています。
今までの方法で家具を作るには、少なくとも50年かけて木を育てなきゃなりません。それを切り倒して、小さく刻んでいく。で、それをもう一度くっつけるんです。何だってそんなことをしなきゃならんのか、と気づいたのですよ。
マンローさんの方法では「50年あれば」同じ木から少なくとも10回収穫できる。収穫後も木の根はまだ生きており、再び育ち始めるのだ。
この椅子の価格は2,500ポンド(約48万円)と、決して椅子の値段としては安くはないが10年分の労力を考えれば高くはないのかも知れない。
自然を巧みに操りつつ自然と共に作り出すアート作品。気軽に買うことは出来ないだろうが、一度は座ってみたいものである。
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